
「営業先の母数が多くて、飛び込みでも会いやすい販路がほしい」「1店舗と取引が始まったら、そこから横に広げていけるような市場を持ちたい」——販路拡大や新規事業を検討している経営者・営業責任者の方の中には、そんなふうに考えている方も多いのではないでしょうか。
そこであらためて見直したいのが、飲食店という販路です。全国に数十万店規模で存在し、しかも人手不足・原価高騰・集客と、経営課題がはっきりしている業種です。課題が明確ということは、提案の切り口も明確だということでもあります。
この特集では、飲食店を販路とする代理店ビジネスの全体像から、実際に売れている商材ジャンル、営業の進め方と提案のコツ、そして自社に合った商材の探し方まで、はじめての方にもわかりやすく解説していきます。
<目次>
- 飲食店向け商材の代理店とは?販路としての飲食店の全体像を理解する
- なぜいま飲食店が狙い目なのか?現場が抱える3つの課題
- 飲食店に売れる商材ジャンル7選
- 飲食店を販路にするメリット・デメリット
- 飲食店開拓の営業の進め方5ステップ
- 飲食店営業で成果を出している代理店の共通パターン
- 自分に合った飲食店向け商材の探し方・絞り込み方
- まとめ:飲食店は「1店舗の信頼」が横に広がる販路
飲食店向け商材の代理店とは?販路としての飲食店の全体像を理解する
飲食店向け商材の代理店ビジネスとは、レストラン・居酒屋・カフェ・ラーメン店・焼肉店といった飲食店を提案先として、集客支援・コスト削減・業務効率化などのサービスを販売する仕事です。商材そのものは決済端末でも、集客ツールでも、電気やインターネット回線でも構いません。「飲食店という販路」を軸に、複数の商材を届けていくという発想です。
光回線やウォーターサーバーのような「商材別」の代理店ビジネスが縦の軸だとすれば、飲食店向けは横の軸にあたります。ひとつの店舗と関係ができれば、決済、集客、通信、電気、採用、備品と、提案できるものが次々に出てくる。これが販路型で取り組む最大の面白さではないでしょうか。
また、飲食店は他業種に比べてアプローチのハードルが低いという特徴もあります。店舗はどこにあるかが公開されていて、営業時間も分かる。オフィスビルの受付で止められることもありません。実際に足を運んで、その場で店長や店主と話せる可能性がある——新規開拓の第一歩を踏み出しやすい販路だと言えます。
代理店ドットコムの飲食店カテゴリーだけでも、フードデリバリー支援、キャッシュレス決済、口コミ・MEO対策、AI集客、採用DX、新電力、通信サービスまで、幅広い案件が掲載されています。それだけ飲食店は「提案したい企業が多い市場」でもあるのです。
なぜいま飲食店が狙い目なのか?現場が抱える3つの課題
飲食店に提案するうえで、まず押さえておきたいのが相手の悩みです。営業トークは、この課題の上に組み立てるからこそ刺さります。
①人手不足
飲食業は、あらゆる業種のなかでも人手不足がとりわけ深刻な分野です。帝国データバンクの調査でも、飲食業における非正社員の人手不足割合は約6割にのぼるとされています。募集をかけても集まらない、採用してもすぐに辞めてしまう。この悩みを抱えていない店舗のほうが少ないくらいです。
②原価と人件費の高騰
食材価格の上昇に加え、最低賃金の引き上げが続き、人件費も年々重くなっています。かといって値上げをすればお客様が離れるかもしれない。この板挟みのなかで、「売上を上げる」か「コストを下げる」か、どちらかの答えを探しているのが多くの店舗の現状です。
③集客チャネルの変化
グルメサイト一辺倒だった時代は終わり、いまはGoogleマップの口コミ、SNS、デリバリーアプリと、お客様が店を知る経路が分散しています。「どこに力を入れればいいのか分からない」という声は、店舗規模を問わずよく聞かれます。
裏を返せば、「人手が足りない」「利益が残らない」「新規のお客様が来ない」の3つは、そのまま提案の入口になるということです。飲食店向けの商材は、ほとんどがこのいずれかを解決するために存在しています。
飲食店に売れる商材ジャンル7選
実際に飲食店へ提案されている商材を、大きく7つのジャンルに整理してみましょう。自社の営業スタイルに合いそうなものがないか、探しながら読んでみてください。
- ①キャッシュレス決済・POSレジ:初期費用や月額固定費を抑えた案件が多く、「対応できる支払い方法を増やしませんか」という分かりやすい切り口で話が始められます。導入後は決済手数料からのストック収益が見込める点も魅力です。
- ②集客支援・MEO・口コミ対策:Googleマップ経由の来店が増えているいま、口コミ数や表示順位は売上に直結します。成果が数字で見えるため、継続利用につながりやすいジャンルです。
- ③フードデリバリー・テイクアウト支援:席数に縛られない売上チャネルをつくる提案です。店内が空いている時間帯を収益に変えられるため、店舗側のメリットが説明しやすいのが特徴です。
- ④省人化・業務効率化ツール:モバイルオーダー、セルフレジ、配膳ロボット、勤怠管理、AI議事録やインカム代替アプリなど。人手不足という最大の課題に直接効く商材群です。
- ⑤採用支援・採用DX:求人媒体に出しても応募が来ない、という悩みは根深いもの。応募単価や定着率で語れると強い提案になります。
- ⑥コスト削減系(電気・ガス・通信・保険):新電力、光回線、Wi-Fi、法人保険など。「今の請求書を見せてください」から入れるため、初回接触の商材=ドアノック商材としても優秀です。
- ⑦店舗運営まわりの備品・サービス:ウォーターサーバー、清掃、害虫対策、ユニフォーム、BGM、防犯カメラなど。単価は控えめでも、継続契約になりやすいジャンルです。
重要なのは、これらは組み合わせて提案できるということです。決済端末をきっかけに関係をつくり、次に集客、その次に電気とコストまわり——という積み上げ方ができるのが、飲食店を販路にする強みです。
飲食店を販路にするメリット・デメリット
取り組む前に、良い面と注意すべき面の両方を押さえておきましょう。
メリット
- 対象店舗の数が圧倒的に多い:全国どこにでもあり、営業エリアを問いません。移動時間あたりの訪問件数を稼ぎやすい販路です。
- 決裁者に直接会いやすい:個人店や小規模チェーンなら、店長や店主がそのまま決裁者です。稟議に何か月もかかることはまずありません。
- 課題がはっきりしている:人手・原価・集客という共通の悩みがあるため、提案の型をつくりやすく、営業を仕組み化しやすいのが利点です。
- クロスセルで広げやすい:一度信頼を得れば、次の商材が提案しやすくなります。1店舗あたりの生涯取引額を伸ばしやすい販路です。
- 紹介が生まれやすい:飲食店同士は横のつながりが強く、「あそこの店に入れてもらった」が次の商談を連れてきます。
デメリット
- 1店舗あたりの単価は高くない:個人店中心だと、大型契約にはなりにくい面があります。件数を積む前提の設計が必要です。
- 訪問できる時間帯が限られる:ランチとディナーのピークは論外。アイドルタイムを狙う必要があり、1日の稼働設計に工夫が要ります。
- 営業を受け慣れている:どの店舗にも日常的に営業が来ています。ありきたりな切り出し方では、最初の30秒で断られてしまいます。
- 閉店・業態変更のリスクがある:入れ替わりの激しい業界です。ストック商材の場合、解約率もある程度は織り込んでおく必要があります。
- ITリテラシーに差がある:機器やアプリの導入では、丁寧な説明とアフターフォローが欠かせません。手離れの良さを求めるなら商材選びが重要になります。
飲食店開拓の営業の進め方5ステップ
では、実際にどう進めればよいのでしょうか。基本の流れを5つのステップに整理します。
ステップ1:エリアと業態を絞る
いきなり手当たり次第に回るのではなく、まずは「どのエリアの、どんな業態か」を決めます。駅前の居酒屋密集エリア、ロードサイドのファミリー向け、オフィス街のランチ需要——業態によって刺さる商材はまったく違います。狭いエリアを繰り返し回るほうが、顔を覚えてもらえて効率も上がります。
ステップ2:アイドルタイムに訪問する
飲食店営業の成否は、訪問時間で半分決まると言っても言い過ぎではありません。狙い目は14時〜17時ごろ。ランチが落ち着き、ディナーの仕込みが始まるまでの時間帯です。逆に11時〜13時半、18時以降は避けるのが鉄則です。
ステップ3:課題を聞くところから入る
最初から商品説明を始めると、その時点で「営業か」と壁ができます。「最近、人の採用はいかがですか」「電気代、上がっていませんか」といった、相手が話したくなる質問から入りましょう。ヒアリングで出てきた課題に商材を当てるほうが、成約率は格段に上がります。
ステップ4:数字とビフォーアフターで見せる
飲食店の経営者は、日々1円単位で原価と向き合っています。抽象的な効果よりも、「月◯円下がる」「導入店では口コミが◯件増えた」といった具体的な数字のほうが伝わります。ただし、根拠のない断定は禁物です。条件つきであることも正直に添えましょう。
ステップ5:導入後のフォローで次につなげる
契約して終わりにせず、導入後に一度顔を出す。この一手間が、追加提案と紹介を生みます。飲食店営業でいちばん効率が良いのは、実は「すでに取引のある店舗への2品目、3品目」です。
飲食店営業で成果を出している代理店の共通パターン
実際に飲食店を販路として伸ばしている企業には、いくつかの共通点があります。
ドアノック商材から入っているケース。いきなり高単価商材を持ち込むのではなく、初期費用0円のキャッシュレス決済やコスト削減提案など、断られにくい商材で関係をつくる。そのうえで、集客支援や省人化ツールといった本命商材につなげていく——という順番です。最初の1件をとにかく軽くする、という設計が効いています。
多店舗チェーンを狙って一気に広げたケース。個人店を1店舗ずつ回るのと並行して、5〜20店舗規模のローカルチェーンにアプローチする方法です。本部と話がまとまれば、一度の商談で複数店舗の導入が決まります。1件あたりの労力に対する見返りが大きく、実績としても語りやすくなります。
エリアを絞って「顔なじみ」になったケース。特定の商店街や駅前エリアに集中して通い続け、飲食店同士のつながりのなかで紹介が回りはじめたパターンです。飲食業界は横のつながりが強く、信頼が可視化されやすい。時間はかかりますが、後半の伸びが大きい進め方です。
複数商材をラインナップして単価を上げたケース。決済・集客・電気・通信・採用と、飲食店向けの商材を複数持ち、店舗の状況に応じて提案を切り替える。「この会社に聞けば店のことは何でも相談できる」という状態をつくれると、他社が入り込む隙がなくなります。
自分に合った飲食店向け商材の探し方・絞り込み方
飲食店向けとひとくちに言っても、案件によって条件は大きく異なります。次のポイントで絞り込んでみましょう。
- 営業スタイルで選ぶ:訪問営業が中心か、電話・オンラインが中心か。飛び込みで回るなら、その場で説明が完結する分かりやすい商材が向いています。
- 報酬体系で選ぶ:1件ごとのショット報酬を重視するか、継続報酬(ストック)を積み上げたいか。飲食店は件数を積みやすいぶん、ストック型との相性が良い販路です。
- 初期費用・在庫の有無で選ぶ:初期費用無料の案件を選べば、小さくテスト販売してから本格展開する進め方ができます。
- 本部のサポート範囲で選ぶ:紹介するだけで商談・納品まで本部が担当してくれる取次型か、自社でクロージングまで行う販売代理店型か。営業リソースに合わせて選びましょう。
- 導入後のフォロー負担で選ぶ:機器の設置や操作説明が必要か、それとも手離れが良いか。飲食店は現場が忙しいため、サポート体制の厚さがそのまま解約率に効いてきます。
- クロスセルのしやすさで選ぶ:すでに扱っている商材と組み合わせられるか。同じ訪問で2商材提案できれば、営業効率は一気に上がります。
代理店ドットコムの飲食店カテゴリーでは、これらの条件で複数の案件を比較しながら探せます。気になる案件は資料請求リストにまとめて、まとめて資料を取り寄せて比較検討するのがおすすめです。
まとめ:飲食店は「1店舗の信頼」が横に広がる販路
飲食店向けの代理店ビジネスは、対象店舗の数が多く、決裁者に直接会いやすく、課題がはっきりしている——新規開拓の起点として、これほど条件のそろった販路はそう多くありません。
一方で、1店舗あたりの単価は決して高くなく、訪問できる時間帯も限られます。だからこそ大切なのは、エリアと業態を絞り、断られにくいドアノック商材から入り、取引が始まった店舗に2品目・3品目を重ねていくという設計です。飲食店営業は、瞬発力よりも積み上げが効く世界だと言えます。
そしてもうひとつ。飲食店同士のつながりは、他業種よりもずっと濃いものです。1店舗で丁寧な仕事をすれば、その評判は近隣に伝わっていきます。1件の信頼が、次の10件を連れてくる——この構造こそが、飲食店を販路に選ぶ最大の理由ではないでしょうか。
まずは、自社の営業スタイルに合いそうな商材を1つ選んでみるところから。気になる案件の資料を取り寄せて、比較検討してみてください。
