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営業DXとは?始め方5ステップと成功のポイント・ツール選びの基準から属人化の解消・新商材の追加まで徹底解説

投稿日:2026年9月8日 更新日:2026年9月7日

「営業DXを進めたい」と考えてはいるものの、何から手をつければいいのか分からない。そんな状態のまま、時間だけが過ぎていないでしょうか。

ツールの資料を取り寄せてみたものの、機能が多すぎて比較しきれない。試しに導入してみたけれど、現場が入力してくれず、結局Excelに戻ってしまった——。営業DXでつまずく会社の多くは、意欲がないわけではなく、進め方の順番を間違えているだけです。

この記事では、営業DXの基本的な考え方から、失敗しない進め方の5ステップ、ツール選びの基準、そして意外と見落とされがちな「扱う商材そのものの見直し」という視点まで、順を追って解説します。

この記事を書いた人
佐藤 康人
一般社団法人日本代理店協会 会長
株式会社プライスレス 代表取締役 佐藤 康人

代理店構築支援を専門とする株式会社プライスレスの代表として、これまで3,000社以上の代理店展開をサポート。その他、一般社団法人日本代理店協会の会長として、代理店ビジネスの普及・発展にも力を注ぐ。
「代理店募集で日本を元気に!」をスローガンに、代理店本部側、代理店側の成功を支援している。

<目次>

  1. 営業DXとは?デジタル活用で「売れる仕組み」をつくる取り組みを理解する
  2. なぜ今、営業DXが必要とされているのか
  3. 営業DXが進まない会社によくある3つの原因
  4. 営業DXの進め方5ステップ
  5. 失敗しないツール選びの3つの基準
  6. 見落とされがちな「商材そのものの見直し」という視点
  7. 営業DXを進めるときに注意したいこと
  8. まとめ|営業DXのゴールは「ツール導入」ではない

営業DXとは?デジタル活用で「売れる仕組み」をつくる取り組みを理解する

営業DXとは、デジタル技術を活用して営業活動のプロセスそのものを見直し、成果が出る仕組みへと作り替えていく取り組みのことです。DXは「デジタルトランスフォーメーション」の略で、直訳すれば「デジタルによる変革」を意味します。

ここでポイントになるのが、「デジタル化」と「営業DX」は別物だということです。紙の日報をExcelに置き換えるのは、単なるデジタル化にすぎません。一方で営業DXは、「そもそも日報は必要なのか」「何を記録すれば受注率が上がるのか」というところまで踏み込みます。

具体的には、次のような変化が営業DXにあたります。

  • 勘と経験に頼っていた案件の見極めを、データに基づく判断に変える
  • 担当者の頭の中にしかなかった顧客情報を、組織で共有できる形にする
  • 訪問前提だった商談を、オンラインと使い分けて件数を増やす
  • 反応の薄い見込み客への接触を、自動化して取りこぼしをなくす

つまり営業DXの本質は、ツールを入れることではなく、営業のやり方そのものを設計し直すことにあるのです。

なぜ今、営業DXが必要とされているのか

「うちはまだアナログでも回っている」という会社も少なくないでしょう。それでも営業DXが避けて通れないテーマになっているのには、いくつかの理由があります。

ひとつは、人手が確保しづらくなっていることです。営業人員を増やして売上を伸ばすという方法が、以前ほど簡単ではなくなりました。同じ人数でより多くの成果を出す必要があるなら、一人あたりの生産性を上げるしかありません。

もうひとつは、買い手の行動が変わったことです。今の法人顧客は、営業担当に会う前にWebで情報を集め、比較検討をかなり進めた状態で問い合わせをしてきます。接触のタイミングも、判断の材料も、以前とは違うのです。

そして三つ目が、属人化のリスクです。優秀な担当者一人に売上が依存している状態は、その人が辞めた瞬間に大きな穴があきます。情報を組織に残す仕組みは、リスク管理の面でも欠かせません。

営業DXが進まない会社によくある3つの原因

営業DXに取り組んだものの、途中で立ち消えになってしまう。よくあるパターンには、共通した原因があります。

  • 目的が「ツールを入れること」になっている……何を解決したいのかが曖昧なまま導入すると、現場は「余計な入力作業が増えただけ」と感じます
  • 現場の意見を聞かずに決めている……実際に使うのは営業担当者です。日々の動きを知らないまま設計されたルールは、まず定着しません
  • 一気に全部変えようとしている……工程をまとめて刷新すると、混乱が大きすぎて元のやり方に戻ってしまいます

いずれも、「小さく始めて、効果を確かめながら広げる」という進め方をしていれば避けられるものばかりです。

営業DXの進め方5ステップ

では、実際にどう進めればよいのでしょうか。おすすめしたいのは、次の5ステップです。

ステップ1:現状の営業プロセスを書き出す
リード獲得から初回接触、商談、提案、クロージング、フォローまで、今どんな流れで進んでいるのかを一枚の図にします。頭の中で分かっているつもりでも、書き出すと担当者ごとにやり方が違っていることに気づくはずです。

ステップ2:どこで止まっているかを数字で見つける
各段階の通過率を出してみましょう。「アポは取れるが商談化しない」のか「提案までは行くが決まらない」のか。ボトルネックが分かれば、手を打つ場所が絞れます。

ステップ3:一番効きそうな1か所だけを選ぶ
全部を同時に変えようとしないことが肝心です。もっとも改善余地が大きい工程を、ひとつだけ選びます。

ステップ4:小さく試して効果を測る
まずは一部のチームや一部の商材だけで試します。改善したかどうかを、通過率や商談件数といった数字で確認しましょう。

ステップ5:うまくいったやり方を横に広げる
効果が確認できたら、他のチームにも展開します。このとき「なぜ効果があったのか」をセットで共有すると、形だけの真似になりません。

失敗しないツール選びの3つの基準

ステップ4まで来て、初めてツールの検討に入ります。順番を逆にしないことが大切です。選ぶときは、次の3点を見てください。

  • 入力の手間が現実的か……営業担当が1件あたり何分かけることになるのかを試算します。手間が成果を上回れば、必ず使われなくなります
  • 今ある業務の流れに乗せられるか……普段使っているメールやカレンダー、名刺管理と連携できるかどうかで、定着率は大きく変わります
  • やめるときのことも考えられているか……蓄積したデータを取り出せるか。乗り換えの自由度は、長く使ううえで意外と重要です

高機能なツールが正解とは限りません。使い続けられるものが、結果的に一番成果を出します。

見落とされがちな「商材そのものの見直し」という視点

ここまでプロセスとツールの話をしてきましたが、実はもうひとつ、大きな効果を生む視点があります。それが「何を売っているか」を見直すことです。

営業のやり方をどれだけ効率化しても、扱っている商材が市場のニーズと合っていなければ、成果は頭打ちになります。逆に、今の顧客リストとの相性がいい商材をひとつ追加するだけで、既存の営業活動がそのまま売上に変わることも珍しくありません。

とくに検討したいのが、次のような商材です。

  • 継続課金型(ストック型)の商材……毎月の積み上げができ、売上の予測が立てやすくなります
  • 既存顧客に追加提案しやすい商材……新規開拓のコストをかけずに単価を上げられます
  • オンライン商談で完結しやすい商材……移動時間が減り、商談件数そのものを増やせます

自社で一から商品を開発するとなれば時間も費用もかかりますが、代理店として他社の商材を扱うという選択肢なら、比較的短期間で試すことができます。営業DXで空いたリソースを、新しい商材の販売に振り向ける。この組み合わせは相性が良い進め方です。

営業DXを進めるときに注意したいこと

最後に、実務で気をつけたい点をいくつか挙げておきます。

まず、現場を「管理される側」にしないことです。入力データが評価や監視のためだけに使われていると感じられると、記録の質はすぐに落ちます。「入力すると自分が楽になる」実感をつくることが、定着の前提条件です。

次に、効果測定の期間を決めておくこと。3か月なら3か月と区切り、そこで判断する。だらだら続けると、うまくいっていない施策を止める判断ができなくなります。

そして、顧客情報の取り扱いに注意すること。データを一箇所に集めるということは、それだけ管理責任も大きくなるということです。アクセス権限の設定は、導入時に必ず決めておきましょう。

まとめ|営業DXのゴールは「ツール導入」ではない

営業DXは、デジタル技術を使って営業の仕組みそのものを作り替える取り組みです。ツールの導入はその手段のひとつにすぎず、目的ではありません。

大切なのは、次の流れを守ることです。

  • 今の営業プロセスを書き出して可視化する
  • 数字でボトルネックを特定する
  • 一番効く1か所から、小さく試す
  • 効果を確認してから、ツールと横展開を検討する
  • あわせて「何を売るか」も見直す

そして、効率化で生まれた時間をどう使うかが、次の成長を決めます。既存の営業リソースを活かせる新しい商材を1つ加えるだけで、売上の柱が増えることもあるのです。

まずは自社の顧客と相性のよさそうな商材を探してみるところから、始めてみてはいかがでしょうか。

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