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導入事例の作り方は?お客様の声を営業で使える武器に変える7ステップと依頼・取材・活用のコツを徹底解説

投稿日:2026年9月7日 更新日:2026年9月7日

「うちの商品・サービスは良いものなのに、初対面のお客様にはなかなか信じてもらえない」。営業の現場で、そんなもどかしさを感じたことはないでしょうか。

自社がどれだけ丁寧に説明しても、相手にとっては「売り手のセールストーク」でしかありません。ところが、実際に使っているお客様の一言が入った瞬間、商談の空気ががらりと変わる——そんな経験をお持ちの方も多いはずです。その一言を、いつでも取り出せる形にしておくのが導入事例(お客様の声)です。

とはいえ、「誰に、どうやって頼めばいいのか」「取材で何を聞けばいいのか」が分からず、手つかずになっている会社は少なくありません。この記事では、導入事例をゼロからつくって営業現場で使い切るまでの手順を、7つのステップに分けて具体的に解説します。

この記事を書いた人
佐藤 康人
一般社団法人日本代理店協会 会長 株式会社プライスレス 代表取締役 佐藤 康人

代理店構築支援を専門とする株式会社プライスレスの代表として、これまで3,000社以上の代理店展開をサポート。その他、一般社団法人日本代理店協会の会長として、代理店ビジネスの普及・発展にも力を注ぐ。 「代理店募集で日本を元気に!」をスローガンに、代理店本部側、代理店側の成功を支援している。

<目次>

  1. 導入事例の作り方は?成果につながる事例づくりの全体像
  2. ステップ1:どのお客様を事例にするか選ぶ
  3. ステップ2:断られにくい依頼の仕方をする
  4. ステップ3:取材で聞く質問を事前に用意する
  5. ステップ4:取材当日は「数字」と「言葉」を持ち帰る
  6. ステップ5:読まれる構成テンプレートで原稿にまとめる
  7. ステップ6:掲載前の確認と許可を必ず取る
  8. ステップ7:つくった事例を営業現場で使い切る
  9. 導入事例づくりでよくある失敗と対策
  10. 扱う商材が増えれば、つくれる事例も増える
  11. まとめ

導入事例の作り方は?成果につながる事例づくりの全体像

導入事例とは、実際に商品・サービスを導入したお客様に、導入前の課題・選んだ理由・導入後の変化を語ってもらい、それを資料やWebページの形にまとめたものです。「お客様の声」「ユーザーインタビュー」と呼ばれることもあります。

作り方の全体像は、次の7ステップです。

  • ステップ1:どのお客様を事例にするか選ぶ
  • ステップ2:断られにくい形で依頼する
  • ステップ3:取材で聞く質問を用意する
  • ステップ4:取材を実施して素材を集める
  • ステップ5:構成テンプレートに沿って原稿にする
  • ステップ6:お客様に確認と掲載許可を取る
  • ステップ7:営業現場・Webで実際に使う

ここで先に押さえておきたいのが、「事例づくりのゴールは、きれいな読み物をつくることではない」という点です。ゴールはあくまで、商談で相手の不安を消し、次のアクションを引き出すこと。この目的を最初に決めておくと、聞くべきことも書くべきことも自然に絞れます。

1本あたりの目安は、依頼から公開まで2〜4週間程度。取材そのものは30〜60分で十分です。「大がかりなプロジェクト」と身構えず、まず1本つくってみることをおすすめします。

ステップ1:どのお客様を事例にするか選ぶ

最初にやるべきは、事例にするお客様選びです。ここを間違えると、どれだけ丁寧に作っても営業で使えません。

選ぶ基準は次の3つです。

  • これから狙いたい見込み客と似ているか:業種・規模・地域が近いほど「うちと同じだ」と感じてもらえます
  • 導入後に具体的な変化があったか:数字でも、現場の実感でも構いません
  • 関係が良好で、協力してもらえそうか:担当者と信頼関係ができているお客様から声をかけます

迷ったときは、「今いちばん受注したいお客様は、どんな会社か」を先に書き出してみてください。その理想像にいちばん近い既存顧客が、最初の1本の相手です。

なお、有名企業である必要はまったくありません。むしろ、見込み客と同じくらいの規模・同じ悩みを持っていた会社の事例のほうが、「自分ごと」として響きやすいものです。

ステップ2:断られにくい依頼の仕方をする

「事例をお願いしたいけれど、断られたら気まずい」——依頼で手が止まる方は多いのではないでしょうか。断られにくくするコツは、お客様側の負担を先に小さく見せることです。

依頼の際は、次の点を最初に伝えておきましょう。

  • 所要時間(例:30分だけお時間をいただきたい)
  • お客様にしていただくこと(例:質問にお答えいただくだけ。原稿はこちらで作成します)
  • 公開範囲(Web公開/営業資料のみ、など選べるようにする)
  • 掲載レベル(実名/イニシャル/業種のみ、から選べるようにする)
  • 公開前に必ず内容を確認いただくこと

依頼のタイミングも大切です。おすすめは導入から3〜6か月後、成果が見え始めた頃。担当者の満足度がいちばん高いタイミングです。契約更新の面談や定期訪問の場で切り出すと、自然に話が進みます。

「御社の取り組みを、同じ課題を抱える会社にも紹介させていただきたい」という伝え方をすると、お願いではなく、お客様の実績紹介という形になります。

ステップ3:取材で聞く質問を事前に用意する

取材当日に行き当たりばったりで話を聞くと、雑談で終わってしまいます。質問は事前に用意し、可能であればお客様にも共有しておきましょう。答えを準備してもらえるぶん、内容が濃くなります。

最低限、次の5つを押さえておけば形になります。

  • 導入前の課題:どんなことに困っていましたか?その状態はいつから続いていましたか?
  • 比較検討:他にどんな方法・他社サービスを検討されましたか?
  • 決め手:最終的に当社を選んだ理由は何でしたか?
  • 導入後の変化:何がどう変わりましたか?数字で言うとどれくらいですか?
  • おすすめしたい相手:どんな会社に向いていると思われますか?

特に効いてくるのが「比較検討」と「決め手」です。見込み客も同じように迷います。「同じように迷った会社が、こういう理由で決めた」という情報は、そのまま商談の後押しになります。

ステップ4:取材当日は「数字」と「言葉」を持ち帰る

取材で持ち帰るべきものは2つ。数字と、お客様自身の言葉です。

数字は「売上が伸びた」ではなく「月20時間の残業が5時間になった」「問い合わせが月10件から28件に増えた」というレベルまで踏み込みます。抽象的な答えが返ってきたら、「たとえば、具体的にはどれくらいでしょうか」と一歩だけ深掘りしてみてください。

もうひとつが、お客様の生の言葉です。言い換えず、そのまま書き留めることが重要です。「正直、最初は半信半疑でした」「担当の方の返信が早くて助かりました」——こうした飾りのない一言が、原稿でいちばん効きます。

当日の進め方のポイントも挙げておきます。

  • 冒頭で「録音してよろしいですか」と許可を取る(後の原稿化が格段に楽になります)
  • 質問リストの順番にこだわらず、話が広がったらそちらを追う
  • ネガティブな話が出ても遮らない(改善のヒントであり、信頼感のある事例にもなります)
  • 終わりに「他に伝えておきたいことはありますか」と一言添える

ステップ5:読まれる構成テンプレートで原稿にまとめる

原稿は、次の構成に沿って書けば迷いません。

  • 会社概要:業種・規模・事業内容を2〜3行で
  • 導入前の課題:何に困っていたか(読み手が「うちと同じだ」と思う部分)
  • 検討の経緯:何を比較し、何を決め手にしたか
  • 導入後の成果:数字+現場の実感
  • 今後の展望・おすすめしたい相手

分量はA4で1〜2ページ、文字数にして1,500〜2,500字程度が読みやすい目安です。長く書くほど良いわけではありません。

書くときのコツは、自社の説明を増やしすぎないこと。主役はあくまでお客様です。サービスの機能説明が半分を占めるような原稿になったら、それは事例ではなくパンフレットになっています。

担当者の顔写真やオフィスの写真を1枚添えるだけでも、読み手の印象は大きく変わります。写真が難しい場合は、ロゴや商品の使用シーンでも構いません。

ステップ6:掲載前の確認と許可を必ず取る

原稿ができたら、公開前に必ずお客様に確認していただきます。ここを省略すると、後から大きなトラブルになりかねません。

確認をお願いするときは、次の3点をあわせて伝えます。

  • 修正・削除したい箇所は遠慮なくご指摘いただきたいこと
  • 掲載媒体(自社サイト/営業資料/SNS など、使う場所すべて)
  • 掲載期間と、取り下げたい場合の連絡先

確認は口頭ではなく、メールなど文面が残る形で取っておくと安心です。実名・ロゴ・担当者名や写真を使う場合は、それぞれ個別に可否を確認しておきましょう。

また、事例で紹介する数字や表現が誇大にならないよう注意が必要です。「必ず○○できます」「業界No.1」といった断定表現は、根拠がなければ避けるのが無難です。あくまで「この会社では、こういう結果になった」という事実の紹介にとどめることが、信頼にも法令面にもつながります。

ステップ7:つくった事例を営業現場で使い切る

せっかくつくった事例が、Webサイトの奥に眠っているだけ——これが最ももったいないパターンです。次のような場面で意識的に使い切りましょう。

  • 初回商談:ヒアリング後、相手の課題に近い事例を1本だけ見せる
  • 提案書:提案の根拠として、同業・同規模の事例を差し込む
  • アポイント獲得:「同じ業界の◯◯様で、こういう結果が出ています」と切り出す
  • 社内の稟議支援:担当者が上司を説得するための材料として渡す
  • メール・SNS:新しい事例が出るたびに見込み客へ共有する

使い方のコツは、相手に合わせて1本だけ選んで出すことです。10本まとめて渡しても読まれません。「御社と同じ業種で、同じくらいの規模の会社の話です」と前置きしてから1本見せる。これだけで反応が変わります。

事例は業種別に3〜5本そろうと、ぐっと使いやすくなります。まずは1本、そこから四半期に1本ずつ増やしていくペースで十分です。

導入事例づくりでよくある失敗と対策

最後に、つまずきやすいポイントと対策をまとめます。

  • 依頼が後回しになる:担当者ごとに「四半期に1件依頼する」とルール化してしまう
  • 成果が数字で聞き出せない:導入時に「何がどうなったら成功か」を握っておく。事後に聞くと出てこない
  • 原稿がきれいすぎて刺さらない:お客様の生の言葉を最低3か所、そのまま残す
  • 事例が1本しかなく、業種が合わない:業種別に増やす。難しければ「規模」「課題」で共通点を語る
  • つくって終わりになる:営業資料への差し込みまでを一連の作業とし、担当者を決める

どれも、少しの仕組み化で防げるものばかりです。「良い事例が出たら作ろう」と待っていると、いつまでも1本目ができません。先に予定を入れてしまうことが、いちばんの近道です。

扱う商材が増えれば、つくれる事例も増える

ここまで読んで、「そもそも事例にできるほどの成果が出る商材がない」と感じた方もいるかもしれません。

実は、事例がつくりにくい原因が商材側にあるケースは少なくありません。導入後の変化が分かりにくい商材、既存顧客の課題と噛み合っていない商材では、どれだけ丁寧に取材しても語ってもらえる話が出てこないのです。

そんなときに検討したいのが、取扱商材を1つ増やすことです。既存のお客様に対して、今までとは違う切り口の提案ができるようになれば、そこから新しい成果が生まれ、語ってもらえる事例も生まれます。

  • 既存顧客の「解決できていなかった悩み」に応える商材を探す
  • 導入後の変化が数字で見えやすい商材を選ぶ(コスト削減・時間短縮・集客数など)
  • まずは1社に提案し、その結果をそのまま最初の事例にする

営業の武器は、資料の作り込みだけで増えるものではありません。売るものが変われば、語れる話も変わります。

まとめ

導入事例づくりは、7つのステップで進められます。

  • 狙いたい見込み客に近いお客様を選ぶ
  • 負担の少なさを先に伝えて依頼する
  • 「課題・比較・決め手・変化・推奨相手」を質問に用意する
  • 取材では数字と生の言葉を持ち帰る
  • テンプレートに沿って1〜2ページにまとめる
  • 公開前に文面で確認と許可を取る
  • 商談・提案書・メールで、相手に合わせて1本ずつ使う

完璧を目指す必要はありません。まずは関係の良いお客様に1社、30分のお時間をいただくところから始めてみてください。1本できれば、2本目からは驚くほど楽になります。

そして、「語れる成果が出る商材を持つこと」も、事例づくりと同じくらい大切な準備です。自社の営業力を活かせる新しい商材を探している方は、ぜひ幅広いジャンルの商材が集まる代理店ドットコムをのぞいてみてください。

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